昭和の喫茶店文化を一杯に。粋光オリジナルブレンドコーヒーができるまで。

更新日:2026年8月29日

懐かしさと上質さが出会う一杯

伊豆リトリート 熱川粋光のコンセプト「ノスタルジック・ラグジュアリー」は、館内の随所に息づいています。

ロビーやラウンジバー「汐待ち」に並ぶレコードコレクション、昭和期の写真やポスター、前身の「伊豆・熱川温泉 粋光」で使われていたコンクリートガラや灰皿を再編集した意匠——それらはいずれも、1970年代〜80年代にかけて熱川が温泉地として賑わった時代の記憶を今に伝えています。

同時期に育まれた喫茶店文化。1970年代以降は個人経営の喫茶店が増え、深煎りの一杯を囲んでひと息つく体験は多くの人の記憶に刻まれました。

この記憶と響き合う飲食体験を館内でも体現できないか。ゲストアシスタントの八倉を中心に、オリジナルブレンドコーヒーづくりが始まりました。

伊東市・ITOKU COFFEEとの出会い

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八倉が休日に立ち寄った、静岡県・伊東市の直火焙煎コーヒーロースター「ITOKU COFFEE」。地元の年配の常連客が、月に一度の習慣のように豆を買いに訪れる。そんな、地域に根づいた焙煎所の空気に触れたことが、後の相談にもつながっていきます。

目指したのは、懐かしい喫茶店の深煎りコーヒー

開発は、ITOKU COFFEEに足を運ぶところから始まりました。

ベースとなる味を決めるべく、複数種類の豆を少しずつ組み合わせながら、香りと味の輪郭を確かめていきます。重いと感じれば軽やかなものを足し、酸味が立てば深煎りのものを重ねます。液体でのブレンドを繰り返しながら手応えのある配合が見えてくると、今度は実際に豆を挽き、ハンドドリップで抽出しながら、理想の一杯へと近づけていきました。

東伊豆の喫茶店を何軒か実際に訪ね、味わいのイメージを膨らませながら、味わいに落とし込んでいきました。

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試作中の様子

制作にあたり意識したのは、レストランでの提供も見据えたバランス。館内のオペレーションを見据えても安定した味わいを保てるよう、豆の選定には特に気を配っています。

深煎りらしい飲みごたえを残しながら、重すぎず、苦すぎない配合。仕上げにキリマンジャロを加えることで後味の輪郭をやわらげ、寄り添う一杯に仕立てています。

波音に寄り添う、一杯の時間

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左:粋光オリジナルブレンド、中央・右:客室入れしている東伊豆珈琲焙煎所のコーヒー2種

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ラウンジバーでのハンドドリップの様子

ラウンジバー「汐待ち」では、お好みのコーヒーをハンドドリップで提供しています。特に、朝の陽光が差し込むラウンジバーで、澄んだ空気の中で味わう一杯は、1日の始まりにやさしく寄り添います。

朝の光の中で、湯上がりのひとときに、夕食を終えて夜の余韻に浸る時間に——一杯のコーヒーは、昭和の喫茶店文化の記憶を宿しながら、お客様の滞在にそっと寄り添います。