昭和の温泉街の記憶が、旅の目的地へ——「伊豆リトリート 熱川粋光 by 温故知新」2025年11月1日リニューアルオープンまでの軌跡

熱川という土地の記憶 「熱川」という名は、かつて海辺に熱湯が川のように湧き出ていたことに由来します。 その源泉の発見は室町時代、江戸城築城の歴史にその名を刻む太田道灌が、怪我を癒す猿の湯浴みを見て発見したと伝えられています。 源泉温度はほぼ100℃。源泉井の上部からは絶え間なく湯気が立ちのぼり、熱川ならではの情緒ある温泉街の光景を長く形成してきました。 1961年、伊豆急行線の開通により東京から直通列車でアクセスできるようになると、熱川温泉は急速に発展。豊富な湯量と高い湯温を持ち、1975〜85年には団体旅行や家族旅行の目的地として繁栄しました。しかしその後、旅行スタイルの変化とともに観光客は減少し、街の至る所に廃墟が残るようになりました。 大規模な再開発が行われなかったからこそ、街に漂う湯けむり、温泉櫓の風景とともに、時が止まったような風情ある街並みが今に受け継がれています。この熱川固有の土地の記憶こそが、リニューアルの起点となりました。 [...]